ゆっくり急げ

XSR900乗りが、バイクのこととかそれ以外のこととかを書くブログ。

CoronaやCovidという名前を付ける親のニュースを見て思ったこと。

 

日本の例は知りませんが、海外では子供にCoronaやCovidと名付ける親がいるそうです。今日はそんな話。

 

※そう名付けた親を批判する記事ではありません。

 

www.afpbb.com

 

 20代後半の僕にとってはもはや名前しか知らない存在ですが、昔トヨタからコロナという名前の車が販売されていました。同じトヨタのセダンとしては他にもカローラやクラウンがありますが、これら3つは全て「花輪」に由来する語です。

一番古い形がcoronaで、ラテン語で「花輪、冠」という意味。これが古い時代のフランス語を経由して英語に入り、crownという英単語になりました。一方でcorollaは、coronaに指小辞が付いた形。指小辞とは小さいものを表す接尾辞で、たとえばgerrilla「ゲリラ」という単語は、guerra「戦争(スペイン語)」に指小辞が付いて作られました。

じゃあなんでコロナウィルスって名前なんだ、っていうと、太陽のガス層が「太陽コロナ」と呼ばれるようになって、その太陽コロナに似ているからコロナウィルスと名付けられたそうです。

  

大元は花輪という意味なので、決して悪い言葉ではありません。しかし、コロナウィルスのせいで子供にコロナと名付けようとしたら大顰蹙でしょう。

 

 

ところで、日本では昔は「子供に “悪い言葉” を名付ける」という風習がありました。昔といっても古代・中世の話ですが。(笑)

例えば昔の人の名前に典型的な「〜丸」と「〜麻呂」は同語源で、どちらもうんこという意味だったと言われています。醜悪な名前を子供に付ければ魔物に魅入られないと信じられていました。

 

中国にも同じ習慣があり、小名、日本で言う幼名はわざと汚い名前や悪い名前を付けることがあるようです。例えばブルース・リーの小名は小鳳凰で、これは女の子の名前ですが、幼い男の子の魂を奪おうとする女の悪魔から守るために両親が付けたそうです(汚くはないですが)。また、アイヌ朝鮮半島にも同様の習慣があったようです。

(出典:『人名の世界地図』文春新書)

 

 

もしも「悪い名前を付けて魔物を遠ざける」という習慣が現代日本に残っていたら、日本でもコロナやコヴィッドという名前の子供が誕生していたのかなぁ、と思ったりしました。ある意味、最強の魔除けではないでしょうか。