新型YZF-R7に思うこと。
ヤマハがCP2エンジンを使ったYZF-R7を発表しましたね。
CP2エンジンを持つのは本家MT-07(ネイキッド)、XSR700(ネオレトロ)、Tracer700(アドベンチャー)、Ténéré700(ビッグオフ)、そしてYZF-R7(SS)の5車種になりました。CP3エンジンは今のところ4車種なので、超えましたね。現行MTシリーズが発表されたとき、まさかMT-07がここまで多彩な派生するとは思っていませんでした。
僕がバイクに乗り始めたのは2010年。当時のバイクカタログはというと、250ccはフルカウルがほとんど全滅で、唯一Ninja250Rのみがラインナップされていたと思います。その後、ホンダがCBR250Rを発売するとなった時、ネット上では散々「単気筒がCBRを名乗るな」と言われていました。
NC700が発売されたのは2012年のこと。これも当時は「フィットのエンジンをぶった切って載せたバイク」と揶揄されていました。僕の記憶違いかもしれませんが、あの頃は大型ミドルクラスは(逆車も含めれば)まだまだ四気筒が現役で、コスト重視の二気筒車というのはかなり異様な存在だったと思います。僕自身、「いつか大型に乗るならこんなロマンのないバイクには乗りたくない」と思っていました。
時代は変わり、2021年。排ガスなどの規制がヨーロッパとほぼ揃ったことで、いつの間にか「逆輸入車」という言葉が死語になり、プレストもモトマップもなくなってしまいました。そして400cc以下では二気筒ばかりになり、今となっては四気筒はCB400SF/SBとZX-25Rのみに。大型クラスもじわじわと二気筒に置き換えられつつあり、ヤマハに至っては国内ラインナップで四気筒車はFJR、R1、MT-10の3車種しかありません。
そして、新しく二気筒勢に加わったR7。MT-09もMT-07も、もともとは安さ第一主義のバイクだったはずです。そんなMT-07のエンジンを積んだ「スーパースポーツ」が発売されたわけです。果たしてR7はスーパースポーツなんでしょうか?
SSって、もっとこう、限界に挑戦したようなバイクだと思うんです。だからZX-25RがSSだと言われたら納得できますし、現行CBR250RRだって、二気筒の限界に挑んでいるのでSSなんでしょう(僕は違和感を覚えますが、、、)。でもR7は、言ってしまえばオフロードバイク(Ténéré700)と同じエンジンを積んでいるわけです。
僕は決して四気筒至上主義者じゃありませんし、Vツインスポーツに結構憧れもあります。MT-07がただの安物バイクだと言うつもりもありません。でも、(たとえ出来が良かったとしても)もともと安さ第一主義に出自を持つエンジンを積んだバイクを「スーパースポーツ」と呼ぶのは、なんだかなぁと思ってしまいます。
とはいえ、R7、素直にカッコいいなぁとも思います。
最高出力は公表されていませんが、MT-07と同じ73馬力だったとしても、僕がそのパワーを使い切れる日など決して来ません。270度パラツインはVツインと排気音はだいたい同じだと思うので、Vツインに憧れる人間としては結構アリなバイクです。もしXSRに乗っていなかったら、R7を買っていたかもしれません。